助産師が教える!初めての出産の時に夫ができること
こんにちは、助産師のさとゆかです😊
今回は、立会い出産の経験と助産師としての経験を踏まえて
【出産の時に夫ができること】
を書いていこうとおもいます。
立会い出産がしたいな、と思っているパパ👨
パパに立ち会って欲しいな、と思っているけど具体的にパパが出産の時にどういうサポートができるか知りたいママ👩🏻
に向けて一つ参考になればと思います!
目次
- 家で陣痛が始まった!&破水のとき
- 病院に着いたら
- 陣痛室で
- 出産の瞬間
- 出産後
- まとめ
- さいごに
【家で陣痛が始まった!&破水のとき】
陣痛は痛みが弱くて不規則な“前駆陣痛”から起こることが多く、その間はお家で過ごします。
『陣痛』は10分間隔以内、又は1時間に6回以上痛みが起こる状態です。
前駆陣痛から本格的な『陣痛』になるまでの時間は人それぞれです。
初めから『陣痛』がくる方もいます。
また前駆陣痛がきても途中で遠のいて、痛みや張りが無くなってしまう方もいます。
短時間の前駆陣痛が数日続くこともあります。
私は初産で36時間の前駆陣痛ののち『陣痛』となり、
陣痛間隔が短くなっている、陣痛の痛みが強くなっていることを夫と確認して出産病院へ行きました。
この36時間、病院に行くまで家で過ごしていた時に夫がしていた事を下記に記載してみました!
《私にしてくれた事》
・痛みが来たら腰をさする(夜寝ているときも隣にいて痛みが来たら寝ながらも腰をさすってくれました)
・私の欲求に応える(水が飲みたい、果物が食べたい。トイレに行くから前で待ってて欲しい。もっと真面目に腰をさすって欲しいなど。)
・ご飯を炊く→小さいおにぎりを作る(私の前におにぎりと飲み物を準備)
・お風呂を沸かす→私と一緒に入り、私の頭や身体を洗う→私の髪を乾かす
・陣痛間隔を把握(時計でチェック、アプリの使用)陣痛が強くなるに従ってママには余裕が無くなるので“今何分間隔か”を把握しておいて貰えるととても助かります。
・一緒に散歩、階段昇降(陣痛促進のため)
この時夫に言われたこと
「痛みがある時に外に出るのは周りの目が気になる…」
確かにいきなり痛そうにしたら回りの人は驚きますね。
仕方なく、マンション内の階段をせっせと上り下りした記憶が有ります。
・痛がり方の客観的評価
(例:自然な表情で深呼吸が余裕で出来ていた→表情が辛そう、深呼吸も一生懸命になったなど)
《その他の事》
・家族へ連絡(連絡するタイミングは関係性によって違うと思うのでママと良く相談の上、そのタイミングのみ連絡しましょう!!)
・洗濯、食器洗い、ゴミ捨て、掃除などの家事
《夫の事》
・好きな動画見る
・携帯いじる
・ご飯食べる
→これらをしながらも
陣痛がきたら手を止めて
腰をさする、私の欲求に応える、を第一優先してもらいました。
なぜこんなに指示もせずパパが動けたかというと…
私がやりたい事を事前に紙に書いて置いてあったからです。
実際の紙の写真がこちらです🔻
8/21朝におしるしがありました。健診の日だったので内診してもらってます。この日は普通に過ごしました。
次の日の前駆陣痛の時間の記録が用紙の下にしてあります。(痛みが来た時間を書いています。時間が経つにつれて間隔が10分以上空いているところもあるので前駆陣痛と判断しています)
🔺この用紙は今では良い思い出の品となっています🥰
破水のときは病院(出産施設)へ連絡を入れ次第、向かいます。※陣痛が来ていなくても向かいます
破水の診断がついた場合はそのまま入院になるので入院の準備をして行くことになります。
《ママが病院へ連絡している間にパパは》
・破水で濡れてしまったものを処理(水溜りができるくらいの羊水が流れるかたもいます。一方で、尿漏れと区別が付かないくらいの少量の羊水しか流れない方もいます)
・病院へ持っていくバッグやものの最終確認がママができるように準備
・病院へ行く準備:家の戸締り、タクシーの手配、車の準備など
(・家族への連絡)
・時間によっては洗濯物を取り込んでおく、部屋を片付けておくなどの家事
ができると思います。
前もって話し合ったり、普段から一緒に家事をするなどをしておくとパパ単独でもササッと動けると思います。
【病院に着いたら】
ママは診察をしたり、着替えをするので一旦廊下や別室で待つ事が多いと思います。
そのときは
・家族へ連絡(例…受診中です。今から入院するかどうか決まります。)
※電話の場合は通話禁止エリアの指定がある場合があります。施設の表示やスタッフに確認しましょう。
・男性お手洗いの位置の確認(産婦人科病棟内に男性お手洗いが無い場合もあります。要チェックです。)
・入院が決まったらパパは付き添う、一旦帰る、仕事に行くか休むか…時間や状況によって違うと思うので今と今後どう行動するか考えておく。
・ママの荷物を整理しておく。
【陣痛室・LDR室で】
《陣痛が来ている時》
・腰をさする、痛いところを押す
・一緒に呼吸をする。呼吸を促す。
・強く握られたり、蹴られたり痛みを発散するサンドバッグになる。
・後半いきみたい感じを逃すため肛門を握り拳やテニスボールで抑える。
《陣痛が落ち着いたら》
・身体の力を抜くようにリラックスを促す
・普通の呼吸に整えるように声をかける
・飲み物や食べ物を口の近くに持っていく。飲水、飲食を促す。
・汗を拭く
・うちわであおぐ
・寝てたら喋りかけない(休息優先)
《陣痛中、部屋から出たい場合》
お手洗いや休息は陣痛と陣痛の合間にママに一声かけて行きましょう。
パパの適度な休憩も大切です。
医師、助産師、看護師から処置や診察の時に部屋の外で待っているように指示があれば従いましょう。
“血が苦手”などで気分が悪くなりそうな場合は我慢せずに早めに部屋を出ましょう!!
陣痛中、ママはパパに気を遣っている余裕などありません!!自分の事は自分で判断して行動しましょう!!
《その他》
陣痛が弱くてなかなか陣痛が進まない場合には分娩促進剤を使用したり、ママやお腹の中の赤ちゃんが具合が悪い又は悪そうだ、という判断がされた場合は必要な処置(吸引分娩、鉗子分娩、緊急帝王切開)を行う場合があります。その際にはママと同時にパパにも医師から説明があると思います。しっかりと説明を聞き、同意書などがある場合にはママの代わりにしっかり目を通してください。
【出産の瞬間】
子宮口が全開大(10cm)になったら赤ちゃんの誕生までラストスパートです。
赤ちゃんが生まれる時の
周りの雰囲気を少しご紹介すると…
・陣痛室から分娩室に移動する(LDRというお部屋の病院は移動しない事が多いです)
・お部屋に分娩に使用する物が運び込まれる
・スタッフが準備を始める
・ママがお産する体勢になる
・スタッフや医師が部屋から離れなくなる
スタッフがママの足側で出産準備を始めたらパパはママの頭側でサポートをしましょう!
助産師から
『いきんでいいですよ』
『いきんでください』
と言われたらママは陣痛が来たらいきむので
助産師の声かけに合わせていきみをサポートしましょう!
いきみ始めるタイミングやいきみ具合(強さ)はその時の赤ちゃんの状態やお産の進み具合によるので、その場の助産師の声かけに合わせてサポートしてください。
※いきまずに生む、生まれる事もあるので全員が必ずいきむ訳ではありません。
さて、いよいよ赤ちゃんが出てきます。
《分娩の体勢になってからパパが出来る事としては》
・陣痛の合間に給水、汗拭き、リラックスを促す。時に声かけ『頑張ってる、頑張ってる。もう少しで会えるよ。』など
・陣痛中はママの状態に合わせて一緒に呼吸、手を握る、いきんでいる場合は頭を支えるなど
・カメラの準備(事前に出生直後の撮影が可能か確認しましょう)
『おめでとうございます』
赤ちゃんが生まれました!!
感動、安心…色んな感情がどっと押し寄せてくると思います。
『お疲れ様』『頑張ってくれてありがとう』などまずはママに声をかけてあげましょう
ママはまだお産が続いています。
胎盤が出るまでが出産です。
胎盤を出すときはママがすることは特にありません。
助産師や医師が胎盤が出てくる事を確認するためや子宮の収縮を良くするためにママのお腹をマッサージする事があります。
※この時、パパが赤ちゃんの計測を見れる施設もありますし、ママや赤ちゃんに処置が必要な場合にはパパは部屋からの退出をお願いされるかもしれません。
赤ちゃんを出産してひと段落したママに飲み物を勧めてみましょう。
出産では汗をかき、エネルギー消費をし、多少の出血を伴います。
パパ自身の水分補給も忘れずに行ってくださいね!
【出産後】
胎盤も無事に出てた後は会陰(お股)に傷がないかどうか確認します。
お股に傷ができてしまったり、赤ちゃんの頭が出るときに会陰切開をした方はこのタイミングで縫います。
最近では溶ける糸で縫う事が多いため抜糸はない事が多いです。ひきつれ感がある場合には抜糸もできると思います。
縫っている間パパは部屋の外で待つ事が多いと思います。
傷の深さや大きさによってかかる時間も違ってきます。
この際に赤ちゃんのそばに入れるなら見たり、写真を撮ったり、(赤ちゃんのお顔は日に日に変わります😊ぜひ生まれたての一瞬のお顔を思い出におさめておくことをお勧めします)
各方面に“生まれたよ”と連絡を入れても良いでしょう。
パパ自身の今後の動きも想像しておきましょう。(帰宅のタイミングや次回来院のタイミング、今後の面会時間の確認、退院日など)
ママの処置が終了し、パパとママが合流できたら
ママに労いの言葉をかけ、欲求を聞いてあげましょう!
〇〇が食べたいとか、飲みたいとかがあれば近くのコンビニで買ってきてあげても良いかもしれません。
(私は出産後、とってもお腹が空いていたので午前1時半に産院近くのコンビニにおにぎりを買いに行って貰いました。)
産院の近くのコンビニは要チェックかもしれません!!
出産後も体力回復の為に飲水、飲食重要です!!
出産後は陣痛中にあれだけ苦しんでヘトヘトかと思いきや、とっても清々しい気持ちでした。アドレナリンが出ている感じです。
きっとパパも同じだと思います。
お2人で赤ちゃんが生まれた後の貴重な時間を是非ゆっくり過ごしていただきたいと思います。
しかし出産の疲れ(出産に立ち会った疲れ)は多少なりとも確実にあります。
そして出産と同時に育児のスタートを切りました。
休める時に休み、体力回復をはかることもとても大切になります。
(この考えはこの先1,2年続くと言っても過言ではないでしょう。)
あまり長居しすぎずにママや自分の休息も念頭に行動しましょう。
赤ちゃんは元気であれば抱っこできると思います。助産師や看護師に聞いてみましょう。
ママの洗濯物や分娩後不要になったものは持ち帰ってあげましょう。
そして、必要になったもの(なるもの)があれば連絡を取り合って次回来院の際に持ってきてあげるとママは助かります!
【まとめ】
陣痛中はママの欲求優先!
妊娠中からパパとママのコミュニケーションをとり出産、育児と連携プレーが取れるように2人で準備をしましょう!
【さいごに】
世の中に全く同じ出産は存在しません。
今回の出産は一生に一度の尊い瞬間です。
ママと時間を共有できること、出産に立ち会えることはとても強運だと思います。
(この記事を読んでいるあなたは既にとっても強運です♡)
そしてパパママ共に“妊娠、出産乗り越えた”という経験が今後、育児を含めた自信へと繋がると思います。
しかし、立会い出産だけが全てではありません。
それぞれの夫婦のかたち、事情があると思います。それぞれの形でお互いが納得いく妊娠、出産、育児の連携プレーができれば良いのかなと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました🥰 さとゆか